氷見イワシ香るナポらー麺・スペシャルセット＠Menya:Ikuzo Tokyo・中央区茅場町

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Ｍｅｎｙａ：Ｉｋｕｚｏ Ｔｏｋｙｏ
　　中央区日本橋兜町20-6　日本橋兜町ファースト１階

　２月３日にオープンしたばかりの新店で、本店は富山県氷見市にある「麺屋　いく蔵ひみ番屋街店」だそうだ。この「ひみ番屋街」という道の駅には７年前に行ったことがあるが、その時は回転寿司にしか興味がなかったのでラーメン店があるかどうかも確認していなかった。そんなお店が、昨年の４月に開催されたＫＡＧＯＭＥ「ナポリタンスタジアム2021」において、全209メニューの中からナポリタンとラーメンを融合させた「氷見イワシ香るナポらー麺」で見事グランプリを獲得したそうで、その優勝メニューで東京進出に打って出たという次第のようだ。お店の場所がビジネス街のど真ん中なので、平日よりも週末の方が落ち着いて食べられるのではないかと考え日曜日の昼前に伺ったところ、予想通り先客ゼロ、後客１とゆっくりできた。メニューは標記のみで、それを単品999円、温玉と粉チーズが付いたスペシャルセット1200円、スペシャルセットに白ごはん（小）も付けた〆リゾットセット1300円の３バージョンで提供している。トマトを使ったナポリタンなら粉チーズは必須だろうと思いスぺシャツセットでお願いした。ちなみに、こちらのお店はクレジットカードか電子マネーでの先払い制で現金は不可。ラーメン店に関しては現金払いがまだまだ主流だが、今後は衛生面、省力化あるいは金融機関における硬貨取扱手数料の徴収等へ対処するためこういうキャッシュレスが進むものと思われる。
　お店のマネージャーらしき男性やフロア担当のお嬢さんと富山の魚介類を中心とした食べ物について雑談していると、氷見産の片口イワシ煮干から引いたお出汁が真っ白なお猪口に入って給仕された。お店では黄金出汁と呼んでいるそうで、その名の通りきれいに澄んだ山吹色が美しいお出汁だ。香りも上品で、口に含むとビックリするほど濃厚な旨味がある一方で、煮干し特有の苦み、えぐみやクセなどは一切無く美味しいの一言。うっすらと塩味が付いているように思えたのでマネージャー風の方に聞くと、出汁だけで塩や醤油は足していない、海のものだからわずかに塩を含んでいるのではないかとのことだった。これに少量の醤油ダレなり塩ダレなりと香味油を足せば飛び切りの煮干ラーメンスープが出来ると思われる。美味しさの余韻にふけっていると、丼と追加トッピングが載ったトレーが運ばれてきた。その際、前述のお嬢さんから「まずはそのままで、途中で粉チーズを、そして最後に温玉を加えて味変してください。」旨のアナウンスがあった。それに従い、何も加えずに麺を１本つまんですすり上げた。麺は緩く波打つ中麺で、麺肌はかなりツルンとしていて噛むとシコシコ。これはかなり好みの出来だ。お店のＨＰによれば、国産小麦を100%使用したこだわりの自家製麺とのことだ。スープはトマト味だが、ナポリタンやミネストローネ等のトマトスープのような洋風の味わいではなく、トマトの軽い酸味がすっきり爽やかに感じるもののちゃんとラーメンスープらしく仕上がっている。これは、やはり煮干し出汁のお陰だろう。なので、何の違和感もなく食べ進むことができた。途中でアナウンスどおり粉チーズを丼の奥側に投入し、少しずつ混ぜて味変させた。トマトにチーズは鉄板、ぐっと濃厚になった。チーズを全部混ぜ込んだ段階で、今度は温玉を手前に投入した。温玉をスープに混ぜ込むと、予想通り酸味がほぼ消えるとともにまろやかな味わいに変化した。好みの問題ではあるが、＋200円で２度の味変が楽しめるならこのスペシャルセットという選択は決して悪くないと思う。チャーシューは、一般的な肩ロースではなくロースをレアに仕上げてミートスライサーで薄く切り出したもので、プロシュートのような味わいがメチャ旨。これはワインのお供にも最適だ。ラーメンらしく枕木メンマが２本入っている。ジャグシャキと軟らかめの食感で、味わい、特有の発酵臭とも薄め・控えめのためトマトスープになじんでいた。その他にはナポリタンらしく薄切りタマネギやピーマンも入っていて箸休めにぴったり。
　終盤、マネージャー風の方が「いろいろ富山のことを教えていただいたお礼です。」とご飯が１/３ほど入ったお茶碗を運んで来てくださった。お礼を申し上げて遠慮なく頂き、残ったスープをレンゲでかけまわして即席リゾットに。麺量は140g程度なので、リゾットのこの美味しさならさらに＋100円して〆リゾットセットも大いに有りだと思った。しばらくしたらまた味わいたい。

・お気に入り度：〇＋

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